初めての400㎞③ ランドヌールとは
ホイールからの音が気になりながら、PC2に着き夕食をとり、行きつけのサイクルショップにどうしたらよいか電話で相談しました。
状況を説明すると、見ないとわからないので乗らず店に持ち込み修理するか、新しいホイールを購入するするか、スポークの取り付け部分に異常がないならクイックのバネ?と言われ、
もう何度もホイールを外してみたんだけど、もう一度外してバネをチェックしてみました。
・・・あれ?治った?!
異音はバネが原因で、ホイールは大丈夫の様でした。また前回の様に帰るわけにはいきません。
そして再出発、日が暮れたのでヘルメットライトをつけようとしたら、新しい電池に交換してきたのに点きません。
ライト、どこかで売ってるかな、いやもうやはり帰った方がいいのかと焦っていたら、Yさんが他にもあるからどうぞと貸してくれました。
まだ完走を目指すのか、時間の付与がされても起きていられるか、そしてこの先お借りしたものがなければ走れない状況になりました。
出発することにして、Yさんの後ろを走っていきます。
後ろからよく見ると、YさんはPBPの反射ベストを着用されていて、PBPのお話などお聞きしながら走っていきました。※PBP(パリ~ブレスト~パリ1200㎞のイベント)
日が暮れて、戸倉峠に差し掛かると急に気温が低くなってきました。道路の温度計が9℃です。
ここは分水嶺なので風も強く吹いていて、体感温度はさらに低いと思います。
登りはまだマシでしたが、寒いのでウィンドブレーカーを着ました。
Yさんがハイカー用のゲーターが膝の防寒に良いからどうぞと言ってくださいましたが、申し訳なくご遠慮して
下りだしたら、とてつもなく寒く、手と足が凍え、我慢して下りましたが、特に眠い訳でもなかったのに、一瞬寝落ちしそうに!! 自転車が大きく傾きびっくりしました。
自転車の上で寝落ちってこんな風になるんだと、本当に驚きました。
もしここで転倒して怪我をしたら。怪我をした人も、一緒にいる人も、怪我と冷えで無事ではありません。救急車もなかなか来ないだろうし、風から身を守る場所もありません。
真っ暗の中、そう思うと心底ぞっとしました。
もうこの寒さを軽くみることはできず、戸倉トンネルの前で持っているものを全部着ることに。
トンネルの中も風が吹く中、震えながらさっきご遠慮したゲーターもすみませんがと遠慮せずにお借りしました。
持っていたレインシューズも履こうとしましたが、履き方が思い出せず手が冷えてうまく履けませんでした。
情けなく、装備も不十分、こんな私ではランドヌールなんてほど遠いですね、ついそんなことを口走っていました。
するとYさんは「ランドヌールとはこうしていろんな問題に自分で対応して走る事です。もうこうしてやっていることがランドヌール、完走できるのは一部のエリートです。」と励ましてくれました。ありがたいお言葉でした。
なんとかレインシューズを履くことができ、友達がやっていた防寒方法、お腹にビニール袋を当てて、ビニールの手袋を重ね、出来るだけ完全に体温保持に努めました。
保温できたので長い下りも無事に下って、それでも寒い寒いと言いながら道の駅若桜で暖かい飲み物を飲みました。
暖かい飲み物は眠気に効くよとYさん。買おうと思ったコーヒーと違うボタンを押した私をみてブルべあるあるだと笑って、欲しかったものを買って交換してくれました。
そして今回のルートは600mの坂が三つも入っていて、ハードなコースなので、完走したいならばコースをよく見て自分に合ったものにした方がよいとのアドバイスでした。
そしてYさんは今のチェーンの状況から、大山登攀は無理なので鳥取から帰る予定との事でした。
どこまで走れるでしょうか。